ケアマネ報酬の集合住宅減算、大幅な強化が必要 横行する“囲い込み”に歯止めを」の記事を読んでの感想!

今回は気になる記事の紹介です。2025年5月4日の「JOINT介護ニュース」と言うサイトのケアマネ報酬の集合住宅減算、大幅な強化が必要 横行する“囲い込み”に歯止めを=田中紘太というブログ記事を読んでの私の意見を書きたいと思います。原文は下記の参考リンクからお読みください。
では、どうぞ。


「介護報酬減算の議論は本当に正しいのか?—現役ケアマネの視点から考える」

近年、集合住宅における介護報酬減算の強化が議論されていますが、果たしてその方向性は適切なのか?この記事では「過剰提供」「囲い込み」「画一的なケアプラン」などが問題視され、報酬減算を最低でも10~15%に強化すべきとの主張が展開されていました。しかし、現場の視点からはこの議論には大きな疑問が残ります。

介護サービスは本当に過剰提供されているのか?

記事では、介護保険サービスが過剰に提供されていることを問題視していました。しかし、実際の現場では、介護保険外のインフォーマルサービスを組み合わせることで、必要な支援が行われています。例えば、排泄介助のような予測できないケアは訪問介護の時間に関わらず発生します。決められた時間だけで対応できるものではなく、施設側が随時対応せざるを得ません。

また、施設が入居費を安く抑えつつ、介護保険料を活用し包括的に運営することが悪とされるのも納得できません。経営の合理化を図ることで、多くの利用者が介護サービスを受けられるよう努力している施設もあるはずです。「ウィンウィンの関係」を築くことが悪とされる風潮には疑問が残ります。

報酬減算の強化で現場は疲弊する

報酬減算の強化が進めば、現場への負担はさらに増します。ただでさえ低賃金で働いている介護職員(ケアマネ含む)の給与が上がる可能性は低く、施設の経営も厳しくなってしまいます。制度を厳しくすることばかりが議論され、介護業界の持続可能性への視点が欠けているのではないでしょうか?

住宅型の施設を在宅介護の基準で評価することは無理があり、施設型の報酬体系にするべきです。その点では、特定施設入所者生活介護のシステムが参考になるのではないかと考えます。包括的に運営できる仕組みを取り入れることで、施設本来の役割を発揮できるのではないでしょうか。

ケアマネジャーの業務負担を軽減すべき

ケアマネの業務に関しても、制度の課題が浮き彫りになります。プランを変更するだけで計画書を書き直し、印鑑をもらい、担当者会議を開いて議事録を作成し、ケアプランを配り直す…これを数十人分対応するのは現場にとって膨大な負担です。

本当に介護業界の持続可能性を考えるなら、ケアマネの報酬を増やし、担当件数を少なくし、書類業務ではなく利用者と関わる時間を増やせる制度にするべきです。形式的な書類業務ばかりが増え、実際のケアに集中できない現状は改善されるべきでしょう。

また、「1日で1ヵ月分のモニタリングを終える施設がある」と記事では問題視されていますが、それが可能ならば何が悪いのでしょうか?施設の職員は日々対応しており、その時点で問題がなければそれで良いはずです。不適切な運営があるなら行政が個別に対応すれば良いのであって、一律に規制を強化するのは的外れではないでしょうか。

「囲い込み」=問題なのか?

訪問介護に関しては、住宅に併設している訪問介護(ヘルパー)を利用するのが最も合理的でしょう。併設のヘルパーであれば施設の職員と兼務するため、柔軟な対応が可能になります。他事業所のヘルパーが来る場合、訪問時間が決まってしまい、緊急時の対応や細かい調整が難しくなるのが現実です。

デイサービスについては各施設ごとに特色があり、利用者が自分のニーズに合った施設を選択できる点が強みです。リハビリ特化型や入浴設備の充実、レクリエーションの工夫など、それぞれの施設が差別化を図っています。そのため、訪問介護ほど囲い込みによるメリットは少ないですが、逆に選択肢が広がることが利用者にとっては重要でしょう。

適切な事業者評価を求める声

記事では「本来の理念に立ち返るべき」と述べられていましたが、その理念では現場の業務が立ち行かなくなるような制度になっているならば、そもそも制度自体を見直すべきでしょう。

「問題のある事業者はごく一部」と言われていますが、この記事の基準で考えると、ほとんどの事業者が問題ありとされてしまう可能性があります。一部の悪徳な事業者を厳しく取り締まることは必要ですが、すべての施設を規制するのではなく、現場の努力を適切に評価する仕組みを構築することが何より重要です。

介護業界の持続可能性を考えた制度改革へ

今回の議論を通じて、介護報酬減算の強化が単なる財源確保の手段になってしまっている可能性が浮き彫りになりました。制度改革を進めるなら、以下のポイントを重視するべきではないでしょうか?

✅ 理想論ばかり語らず、現場の実態に即した制度設計をすること。 ✅ 制度改革には、現場を理解する人が積極的に関与すること。 ✅ 財源を考えるならば、減算や罰則強化ではなく、介護職の待遇改善や施設運営の支援を優先すること。

介護業界の現場で働く人々が安心して業務に取り組める環境が整えば、結果的に利用者へ提供されるサービスの質も向上します。「減算=問題解決」という短絡的な発想を超え、業界全体の持続可能性を見据えた改革が求められています。


以上が私個人の意見になります。私同様に納得できないと思われた方もいるのでは無いでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございました。

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